2011年3月13日日曜日

福島第一原発(知人からのメール)⑭

「椋川とは関係のない」内容かもしれませんが、椋川も福井県にある原子力発電所から十数キロしか離れていません。 もちろん福島以外の原子力発電所で同じ現象が今すぐ起こるわけではありませんが、「原子力発電所とともに暮らす」ということは、今回の同じリスク を負いながら生活を続ける、ということをやはり私たちは知るべきだと思いました。
以下転送文

毎日新聞から転載。
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東日本大震災:福島第1の炉心溶融 原発安全神話崩れる
http://mainichi.jp/select/science/news/20110313k0000m040065000c.html

  東日本大震災の影響で東京電力福島第1原発1号機の原子燃料が溶解し、大量の放射性物質が漏れたことは、経済産業省や東電など電力会社が強調してきた日本 の原発の「安全神話」を崩壊させる事態だ。政府は「温暖化防止対策」などを看板に、国内の発電電力量に対する原発の比率を大幅に高める政策を推進してきた が、今回の事故で原発に対する国民の不信が再燃するのは必至で、国のエネルギー政策は抜本的な見直しを迫られそうだ。

 原発は日本の電力 の約3割を賄う「基幹電源」。政府は昨年6月に策定したエネルギー基本計画で14機以上の原発の新増設を掲げ、原発の比率を4割程度に高める計画を掲げて きた。東電は現在17機の原発を保有し、09年度の原発の発電比率は28%だが、19年度には新増設や稼働率の改善などで48%に高める計画を示してい る。

 世界では79年の米スリーマイル島原発事故や86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故後に原発の安全性への不安が広がった。そんな 中、日本が原子力政策を推進し続けて来られたのは日本の電力事業者が「厳しい安全管理をしており、深刻な事故は起こらない」と説明してきたからだ。

  91年の関西電力・美浜原発2号機の蒸気発生器細管破断事故や95年の「もんじゅ事故」、99年の茨城県東海村の臨界事故では、原発への不信感が高まった が、原発事業者はいずれのケースでも、部品の施工ミスや設計ミスなど「想定外の事象が原因」と強調。07年の新潟県中越沖地震で東電・柏崎刈羽原発が全機 停止した時も「原因は変圧器の火災。原発の設計構造そのものに問題はない」などと安全神話を守ることに必死だった。

 しかし、今回の事故 は、地震後の津波で原子炉冷却用の電源が損傷したもので、原発の安全設計の根幹自身が疑われるもの。「原発は(いくつもの安全装置で原子炉を守る)多重防 護の考え方を徹底している」としてきた東電の説明は破綻したと言える。12日夜に東電本店で会見した小森明生常務が「まずは冷却水の維持に取り組んでい る」と述べただけで、原発の問題点に触れなかった姿は、安全神話を守りたいあまりに地元住民らの不安に十分応えていないように見えた。

  福島第1原発は71年に運転を開始した老朽炉で、原子炉圧力容器や建屋に劣化が生じていなかったかなど、東電の原発管理体制が厳しく問われそうだ。95年 の阪神大震災を契機に原発の耐震性が問い直され、国や電力会社は耐震性能を高める措置を取った。しかし、今回のような津波による電源喪失という事態は想定 されず、地震国ニッポンの原発の安全性は根幹から問い直されることになった。

 80年代以降の原発への逆風を耐え抜き、政府や電力会社が 原発推進に大きくかじを切ったのは、新興国の急成長でエネルギー需要の急増が見込まれる上、「温室効果ガスを出さない原発は温暖化対策の切り札」(幹部) という名目があるためだ。政府は原発の海外展開をインフラ輸出の中核に据え、ベトナムやトルコへの売り込みも本格化していたが、経産省幹部は「この事故 で、エネルギー政策の抜本的な見直しを求める声が強まるだろう」としている。

 東電は当面、火力発電などで代替する考えだが、原油高騰や 温室効果ガス削減の観点から、原油や石炭発電の使用には限界がある。太陽光発電など再生可能エネルギーの本格普及策も緒に就いたばかりで、日本のエネル ギー政策は袋小路に追い込まれる可能性がある。【山本明彦、立山清也】

毎日新聞 2011年3月12日 20時21分(最終更新 3月12日 21時53分)

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