2011年3月13日日曜日

福島第一原発(知人からのメール)①

「椋川とは関係のない」内容かもしれませんが、椋川も福井県にある原子力 発電所から十数キロしか離れていません。 もちろん福島以外の原子力発電所で同じ現象が今すぐ起こるわけではありません が、「原子力発電所とともに暮らす」ということは、今回の同じリスク を負い 
ながら生活を続ける、ということをやはり私たちは知るべきだと思いました。

以下転載文

Uです。(20110311 23:40)
今、私たちの国は大変な災害に見舞われています。
まだ被害の全貌は明らかになっていませんが、さきほど宮城県の
海岸(仙台市荒浜若林区荒浜)だけで、200人から300人が溺れて
亡くなっていることが確認されました。

村落ごと、津波に流されてしまった村落も今、確認されているだけで
10を超えているようです。非常にたくさんの人々が行方不明に
なっています。

僕は、医師達1000人以上が参加しているMLに入っていますが、
被災地からそれぞれの状況が発信されるとともに、非被災地で
は災害対策医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)が
組織されて、さまざまな手段で被災地に出発し始めていることが
報告されています。

今、確認されているだけでも、気仙沼市でものすごい大火災、また
千葉県市原市のコンビナートでの大規模な火災の他、各地で火事が
広がっているようです。


これらの中で、最も深刻であり、徹底した注目が必要なのが
福島原発の冷却水の低下問題です。
すでに午後9時過ぎに政府によって、半径3キロ以内の住民への
避難勧告が出されていますが、これは、ものすごく、大変なことです。
現地にいる方がいたら、ぜひ可能な限り遠くに避難してください。

冷却ができない状態が続くとどういうことが起こりうるのか。
原子炉はそもそも連続的な核分裂が起こっている場です。
その際出る熱が冷却水を熱し、それが循環して、二次冷却水を
暖め、それが蒸気を発生させて、タービンを回して発電にいたるのが
原発の仕組みです。

ところがこの冷却ができなくなっている。原発そのものは、すでに
停止してはいますが、燃料棒はまだまだかなりの熱をもっています。
これが冷やされないと、徐々に温度が高くなり、次第に燃料棒の
被覆を溶かして熔解を初めます。そうして燃料が集中すると、
暴走的な核分裂が始まってしまいます。

そうなると、原子炉内はどんどん高温になり、残った冷却水が
一気に蒸気化して、水蒸気爆発が起こる可能性があります。
この場合、原子炉の蓋が開いてしまう可能性が高いです。
そうなると原子炉から水蒸気にのって大量の放射能が大気中に
でます。確実に数百キロが被爆します。これはチェルノブイリで
実際に起こったことです。

また燃料棒の被覆の金属が大量に溶け、これが冷却水と接するなかで
大量の水素が発生し、水素爆発が起こってしまう可能性があります。
この場合は、原子炉の蓋があくだけでなく、中に入っている燃料棒などが
大気中に飛び出す可能性があります。

しかしこれは最悪の事態のレベル1です。さらに、それでも集中した
燃料棒の暴走が止まらなかった場合、原子炉そのものがどろどろに
溶け、原子炉格納容器を破って潜っていきます。これがメルト
ダウンです。これだと、原子炉の中にある放射能のすべてが
大気中に出てしまいます。この状態でさらに水素爆発などが重なると、
もう本当に最悪の状態になります。
今、進行中なのは、こうしたことになりうることもある事態です。


万が一、こうしたことが起こるとどうなるか。想像するのはイヤですが、
とにかく莫大な人々が被爆します。さらに膨大な地域が、人が住めない
地区になります。チェルノブイリでは、半径数百キロが廃村になりました。
メルトダウンにまではいたらずに、炉心が炉内に残ったにも関わらず
です。

そうなると私たちの国には、膨大な数の難民が発生します。さらに
首都圏が麻痺し、経済が崩壊し、ほとんど国家崩壊の状態になります。
さらに連動して日本発の世界大恐慌が勃発するでしょう。
そうなると投機屋がすぐに食料・燃料を押さえてしまうでしょうから、
それらの価格が高騰し、世界的な飢餓が広がる可能性すらあります。
原発一発の事故で世界が大混乱にいたるわけですが、その可能性が
今、福島で進行中です。


できることは、冷却がうまくいくことを祈るのみですが、同時に
万が一のときに、非被災地の側は、発生する難民を受け入れる
準備を始めるべきだと思います。少なくとも僕はそんな気持ちで
情報を調べています。

とにかくこの被災は現段階でも確実に阪神大震災を上回って
います。本当に大変です。それに原発の暴走が加わったら、
第二次世界大戦以来、最悪の状態に私たちの国はおかれるでしょう。
それは他国にも深刻な影響を与えるでしょう。
本当にそうならないことを祈るばかりです。


福島原発の現場がどうなっているかは分かりませんが、事態が
深刻な場合、暴走を食い止めようとしている人々は、ほとんど
特攻隊のような状態で奮闘していることでしょう。
事態が食い止められないとき、真っ先に亡くなるのはこれらの人です。

チェルノブイリではたくさんの消防士が、原子炉の蓋があいた
原発に突入していきましたが、多くが本当に深刻に被爆して
苦しんで、亡くなっていきました。

多くの医師達、医療スタッフ、消防スタッフも、続々と被災地を目指して
おり、その中には、今まさに原発に近づいている人々もいるでしょう。
なんとか冷却が復活して、事態が収まって欲しい。本当に
祈るばかりです。


ともあれ今は情報ウォッチを進めます。

転送者付記:発信者のUさんは原子力の研究者でも技術者でもなく、在野の個人で主に東南海地震における浜岡原 発の事故予測などについて自分で学習されてきた方です。ですので技術者なら断定しないような予想や予測もときには混じるかもしれませんが、それを差し引い ても私は有意義だと思ってみなさんに転送しています。そのあたりはお含みおきください。本当をいえば、Uさんのやってるようなことをメディアがちゃんとや るべきだと思います。原子力の専門家の解説としては、原子力資料情報室(脱原発を目指すNGO)の記者会見をお勧めします。原子炉設計者などによる見解が 逐次発表されています。
原子力資料情報室http://www.cnic.jp/modules/news/

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